時代

前回言及した束芋さんの『断面の世代』は、2010年に開かれた彼女の個展のカタログだったが、まずはそのなかから束芋さんが綴った文章を引用する。

「いくつもの存在を合わせ集団化することで大きな成果が得られるような場合でも、個の尊重と引き換えなければならない成果であれば、それをよしとしない。」

これを書いた当時、彼女は34歳だったという。偶然の一致だが、同じく自身の34歳のころを述懐した古井由吉さんの言葉が想い出された。

デビューしたのが34歳、これはもういい中年で、世間からはもはや「ヤング」などとはよばれなかった。

だいたいこのような主旨である。

いまの34歳のほうが、40年前の34歳よりずっと若い。
こういう変化が、「時代が変わっていく」ということなのだろう。
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