作家の真骨頂

「サライ」、1992年10月15日号を、私は悦び勇んで買った。「愛読書は辞書」という特集を組んでいたからだ。著名人や一般人だが蒐集家であるという人たちが、「私にとって辞書といえばこの一冊」というようなことを語っていた。

この号はその後何年か保存しておいたのだが、いつしか引越しの折りかなにかに処分してしまったらしく、いまは手許にはない。それでも、

「これまでに読んできた日本語のすべてが、私にとっては辞書といえます。」

というリービ英雄のことばが、いまだに忘れられない。
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